−ネジバナ

たった一本のネジバナとトンボ

 てっきり山の花と思い込んでいたが、芝さえあれば何処にでもあるではないか。
 我家のつましい芝生でたった一本のネジバナが咲いた。保護のために立てた小柱のテッペンにはトンボが。思わずシャーターを切った。
 この花、小さいながらも蘭(ラン)なのだそうだ。「旅の観定団」さんは−「ランの仲間は、ケシ粒よりも小さい種子を大量に作って風まかせに飛ば(し)、偶然種が落ちた場所に、共生する細菌がいたときだけ、その力を借りて発芽する。共生細菌はランの種類によって違(う)が、ネジバナの場合はその菌が芝生にいた、ということ(では)。実際、芝生があれば環境はあまり問わないよう(だ)」と解説している。
 わざわざ遠くまで飛ぶこともあるまい。狭いながらもかつって知ったこの芝生で存分に繁殖してと思う。