−幻の平ヶ岳

20年ぶりの降雨とか、明日が心配

退職後のにわかハイカーだから小屋泊まりなど数えるほどの経験しか無い。あれこれの雑音も聞こえはしたが「伝之助小屋に泊まりさえすれば平ヶ岳に登れるの」一言に魅せられ大枚をはたいたが、まさかの悪天候を引き当て幸運のかぎりである。
伝之助小屋まで何度となく激しい雷雨に見舞われた。銀山平の手前の明神トンネルを抜け北ノ又川を渡る時など、眼前の濁流に悲鳴があがった。
案の定、石抱橋〜駒之湯間は早くも通行止め道路表示。
万が一の期待をいだき朝4時に広間に集まったが「大雨警報が解除されないので中止」したいの宣告。無念だが仕方がない。
玉原方面に向かうとのことだが、あまりにも早すぎるのでしばし周辺の散策。荒沢岳の登山口を見たが流木で埋まっていた。これでは中止も止むを得まいと思うのだが、昨夕濁流に埋まっていた北ノ又川は平常な流れに戻り、早くも岩魚釣が始まっていた。中止するほどでもなかったのではと思いは揺らぐ。
玉原はまことにあっけない。それなりの風情はあるし、ラベンダーの香りも悪くは無い。鹿又山への道も辿ったがうめ合わせようはない。落差の激しさから沈思黙考をきめ込んでいたのだが……。