−金木犀

玄関先の金木犀

雨模様だと香りが一層引き立つ。今年も玄関先の金木犀が咲きはじめた。金木犀を紹介する一文が寄せられたので紹介する。
 きんもくせい(金木犀)もくせい科
 ウメ・ロウバイジンチョウゲ・オカシア・フジ・クチナシ・クズ・・・。
 それぞれの季節を演出する独特の香りだが、金木犀のあの強い芳香(大部分の人に芳ばしいと思われる)にはとても及ばない。
 強い香りで濃いオレンジ色の花を見るとつい虫・受粉と連想するのだが、この金木犀は雌雄異株で雄樹だけが中国から渡来したのでわが国では結実せず挿し木で殖えていったものだという。
 金木犀は普通4〜5mくらいの中木なのだが時に10mを越えるものもあり、樹齢300年といわれる「華蔵寺の金木犀」は国の天然記念物に指定されている。
 ついでに県の天然記念物として連取の笠松(樹齢300年)と旧境高校のトウカエデへ樹齢180年)が指定されている。
 金木犀の香りは、秋の深まりと実りの秋をも告げる役も担っている。
 私はこの香りが漂うと「そろそろ食べ頃かな」と、生家の柿の木を思い出す。父の子供の頃からの富有柿だと言われていたから100年以上経っている筈だが、幹の径が30cmほどの現在も200以上の実を生らせている。
 菓子など無かった時代に柿がうまかったこと、枝が折れて落ちて怪我をしたこと、電気虫(イラガ)に刺されて痛かったことなどなど、昔を懐かしむ年齢になったのだ。(T・Y)