−カジカエデに思う

donpisya2005-05-20

 芽吹きとともに赤城山が花のシーズンに入った。鈴ヶ岳のアズマシャクナゲを皮切りにカジカエデ、ミズキ、ハグマノキなど樹に咲く花を4種、山野草ヒメイチゲ、トイシノエンレイソウ、ヤマエンゴサク、ショウジョウバカマハシリドコロなど五種、合計九種類を追加した。今年は幸先がいい。ところが「好事魔多し」、勇み足をしてしまった。
 知っている花は、ここにもあそこにもと苦もなく見つかるが知らない花は偶然が頼り。カジカエデはそんな花だった。主役のアカヤシオで真っ赤に染まった篭山を後に、赤城道路を下る。箕輪の手前あたりからカーブのたびに現れる芽吹きのような赤い樹、思わず車を止めた。葉はカエデ、花は開花直前のソメイヨシノみたいな形の真っ赤な花が小枝いっぱいに広がる奇妙な樹である。この時期、毎年のように走っていてなぜ気付かなかったのか。胸が高鳴った。名前がわからない。翌日、依頼した近くの図書館が携帯に「カジカエデ」と知らせてきた。早速、樹のタネで検索し赤城山の花に載せた。花の説明だけにすればよかったのに「雌株に花を咲かせます。雄株は竹とんぼのような翼のある実をたくさんつけます」とやってしまった。「雄花に実」勘違いにも程がある。そのうえ、新聞に投稿してしまった。問い合わせがあったと言う。「雄花に実がなるとは珍しい」「雌花と雄花の解説が混乱してる」などなど、一言も無い。権威ある新聞を汚したことをお詫びしたい。いいわけめくが、やがてつくであろう翼果を確かめ諌めとしたい。