−シバザクラ

風下の陽だまりに咲くシバザクラ

踵(かかと)の肉刺(マメ)が治らない。寒波が通り過ぎるたびに赤城山の白さが増す。素人療法を諦め医者通いを始めたが思うようではない。「おかしいな」と医者も困った顔を始めたから余計に面白くない。そんなこんなで登山靴が履けないで、じっと我慢の子でいる。
たまりかね、菜園のほうに出向いたら、霜柱が立ちホトケノザなどもかじかんでいるのに、物置を風避けにシバザクラが咲いていた。ひと昔も前になるが現役最後の頃、北風に震えながら咲くシバザクラを石垣の陽だまりに見つけたのがハイキングを始めたきっかけだった。
そのとなりでは小菊の新芽が動き始めていた。三年ほど前から挿し芽をはじめ、去年は何軒かにあげた。前のお宅など日当たりが良いからこんもりとしあがりとても喜ばれた。寒いから容易に芽はのびまいが、春遠からじを感じた瞬間である。